棘を抜く

togetterまとめアカウントでした。ツイッターをまとめています

コロナ感染は従来の飛沫、空気感染の定義を塗り替えるかもしれない

従来の飛沫感染、表面接触感染、空気感染の理解ではCOVID-19パンデミックで生じたスーパースプレッディングイベントや屋内外の違いを説明できない。これは適切な予防策がとられない事を意味する。

従来、空気感染とは、主に感染者から1~2m以上離れた場所で、
science.sciencemag.org/content/373/65… 2/n
5μm以下のエアロゾルorその後水分が蒸発した「飛沫核」を吸い込むことと定義され、このような感染は「珍しい」疾患でのみ発生すると考えられてきたが、実はそうではない。

以上総論、以下各論ポイント 3/n pic.twitter.com/tYpdKeBjfE
・近く:飛沫+エアロゾル、遠く:エアロゾル(論文ではエアロゾル=airborne transmission=空気感染、飛沫核は考え自体が古典的でほぼ触れられず)
流体力学に基づき100㎛で分けるべき
・100μmは(1.5mの高さから)静止した空気中に5秒以上浮遊し、感染者から1m以上離れて移動、吸入可能な最大粒子4/n
モデリング研究では、感染者から2m以内でもエアロゾルの吸入が主であり、会話時に0.2m以内、咳嗽時に0.5m以内にいる場合のみ飛沫が優勢
・すなわち、SARS-CoV-2で飛沫感染が支配的になるのは、個人同士が0.2m以内で会話している場合に限られ、飛沫感染のリスクははるかに低い 5/n pic.twitter.com/ajlmmH949C
SARS-CoV-2は当初事項再生産数R0が少なく、飛沫もしくは表面接触による感染が主と考えられていた。というのも空気感染するウイルスは結核や麻疹のようにR0が高いと考えられていたから。これは根拠がなかった。
飛沫感染が主流であると考えられていた麻疹、インフル、RSVなど、多くの 6/n
呼吸器系ウイルスの空気感染を裏付ける確かな証拠がある。他にライノ,アデノ,エンテロ,SARS-CoV,MERS-CoV,SARS-CoV-2等、多くの呼吸器ウイルスが空気感染する
・A型インフルの家庭内感染では、空気感染が感染の約半分と推定
SARS-CoV-2は0.25-4μm以上のエアロゾルから感染性ウイルス回収された 7/n
・実験室での研究では、エアロゾル化したSARS-CoV-2の半減期は1-3時間程度
SARS-CoV-2の飛沫感染接触感染の報告がない一方、エアロゾルが多くの呼吸器系ウイルスの感染に関与しているという証拠が増加しており、空気感染はこれまで認識されていたよりもはるかに発生していると認めざるを得ない 8/n
エアロゾル感染が主であり、換気、気流、空気ろ過、紫外線消毒、マスクの装着などが特に重要
・粒子径以外に、空気感染に影響与える要因は、粒子中のウイルス量、エアロゾル中のウイルス安定性、各ウイルス用量反応関係が挙げられる
・このため、平均ではその性質を捉えられない事がある 9/n pic.twitter.com/PMDdZ4LChn
・現に、SARS-CoV-2は、疫学調査で10-20%の感染者が感染者の80~90%に二次感染させる不均一性がある
・呼吸器系エアロゾルは、生成部位により、肺胞エアロゾル、気管支エアロゾル、気管支エアロゾル喉頭エアロゾル、口腔エアロゾルに分類
・気管支エアロゾルは、通常の呼吸時に形成される 10/n pic.twitter.com/3mcRY3efq3
喉頭エアロゾルは、発声時の声帯の振動によって発生する
・100μm以上の飛沫は主に口腔内の唾液から生成される
・1890年代始まった呼吸器系エアロゾル研究では5μm未満のエアロゾルを検出できなかった
・それが1-2mの基準の理由となったが、これは間違いである 11/n
・スピーチでは、100μm以上の飛沫に対して、100倍-1000倍の100μm未満のエアロゾルが生成
・子供は大人に比べてウイルスを含んだエアロゾルの発生が少ない
・いくつかの呼吸器系ウイルスを対象とした研究では、大きなエアロゾルよりも小さな(5μm未満)エアロゾルのほうがウイルスRNAが多かった 12/n
・静止した空気中では、5μmのエアロゾルが1.5mの高さから地面に沈むのに33分かかる
・1μmのエアロゾルは12時間以上空気中に浮遊

以上から、空気感染による感染をより理解する事で、効果的な感染対策がより明確になると示唆されると結論 。

めちゃくちゃ奥深い
エアロゾル対策強化!
これですね。
13/n pic.twitter.com/DgMvDLrqvV