棘を抜く

togetterまとめアカウントでした。ツイッターをまとめています

年収200万円で豊かに暮らす。誤解を受けたタイトルの書評

 

 

 

バズり元のツイートは引用RTが5000を超えています。
3万RTいっていないのにこの引用RT数、10年以上Twitterやっていてこんな激しい比率と数は初めて見たかもしれません。
世間の関心が集まったというより、5000人が銃口をこの本の作者の口の中に突っ込んでいるかのようです。
twitter.com/drpsychosomati…
この本を読んでいないのにここまで意見が飛び交っているのは兎にも角にもタイトルが刺激的だからです。

この『年収200万円』というキーワードは本文80ページの中には写真の1箇所にしか出てきません。 pic.twitter.com/YA2RYV60Vg
多くの人は、年収200万円前後の人がギリギリの生活の中で節約をすることで豊かに暮らせるって本当だろうか?という疑問を持ってこのタイトルと闘っていました。

この本では家計再生コンサルタントの横山光昭先生の他に26人の節約知見が集い『こうしてはどう?』『私はこうしている』が羅列されます。 pic.twitter.com/yqP1olzc4t
全員のプロフィールを確認しましたが、自身が年収200万円である事を示したものは一つも確認できませんでした。
手取り14万円の方がいるのですが、所得月収を17万と仮定すれば年収204万円となりこの方だけが希望となります。 pic.twitter.com/mjot6j85ht
各人のプロフィールでは、『この経歴で年収200万に抑えるほうが難しくないか?』という記載が続くので、この本のコンセプトとしては『現実に年収200万の人から聴き取った血反吐にまみれた知見の集合知』というものではありませんでした。

おそらく、彼女たちも本のタイトル知らなかったのでは。 pic.twitter.com/TkU3jKru0K
肝心の節約術の中身ですが、そこは多種多様で『私でもこれはやれるかも』というものが一つや二つは見つかるかとは思います。
全ページを通読して頑張れば。

その殆どが、現状年収200万に置かれている今を生存するので精一杯な人達にはハードルが高いものや、技術的に困難なものと言えるでしょう。 pic.twitter.com/SIPe2v3Kbh
節約術を読んでいて思うのは『これを実現する能力がある人は、稼ぐ方向に向かうほうが……』ともやもやするものばかりです。

『おひとりさまのゆたかな年収200万生活』の漫画家おづまりこ先生の提言群は、ここまで予算管理し計算し精神をコントロール出来る人は、何でも成功出来そうです。 pic.twitter.com/Kxa16uIHtL
また、この本の『はじめに』などを読んでも節約したい人への言葉は豊かですが、読者を年収200万で想定している呼び込んでいるような文章はありませんでした。
実際、この本の中身は一貫して清潔で整った部屋やキッチンしか出てきません。

もしも年収200万円の独居男性が買ったら泣くかもしれません。 pic.twitter.com/ppSrQRgpUJ
また、マネーリテラシーとしてそれは節約術なのかを再考したくなる言葉や概念、メソッドも出てきます。

心の在り方を変えて、世界への認識を変える。
それが、豊かに暮らす、という状態にあると思い込めるコツなのかもしれません。 pic.twitter.com/dKwsSQJaqx
この本が想定している読者の中には、Twitterで石をひとつ投げれば何人にも当たるような年収200万円独居男性は含まれていないと思われます。

唐突に、『夫はヨガは必要経費と言ってくれて、うれしいんです』というセンテンスが出てきても気にならない人だけが買うものかもしれません。 pic.twitter.com/MpIVUVoeDZ
この本、『InstagramがメインでTwitterは一応アカウントは持っている女性』以外の人が買っても傷付くかもしれません。
僕のフォロワーでTwitterやっていない人には強くおすすめしたいです。

Instagramやってない下流非モテ限界高齢独居ツイッタラーオタク男はお呼びじゃないんだよ。 pic.twitter.com/k0hVaJ8qg9
この、年収200万円で豊かに暮らすというタイトルは、僕はあまりにもマーケティングのためとはいえ内容を考えると誤認を促すんじゃないかなと思ったりもします。

でもね。
これで怒ったり騒いだりしてインプレッション上げている人達は完全に本を企画した仕掛け人を喜ばせていますね。 pic.twitter.com/4Rwjv4h3yh
おわり。
寝ましょ。

批判するなら、みんなも買ってまずは読むのおすすめだよ!

僕はこの本は、大怪獣のあとしまつのプロモーションを思い出して死にたくなりました。
無職に救いは無い。 pic.twitter.com/wuQpOG9RjI