棘を抜く

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技術を突き詰めていくと「一般受けしなくなる」

 
つまり、尾田栄一郎、ワンピースのデザイン面、絵の面での斬新さは、
当時作画技術もかなり上がって、90年代後半で、
アニメだと攻殻機動隊とかエヴァとかああいう超写実主義が流行ってた時代に、
「人形劇」的なエッセンスを持ってきたのが発明だと思うのよ
あの歯の書き方ってなんか人形っぽいじゃん
鳥山明は模型趣味からの、模型の世界、つまり限られたスペースの中で最大限の表現をする、というミニチュアの方式が、
マンガのコマ割りという成約と相性が良かったんだと思うのよね
だからるろうに剣心とかってあんまりヒットしなかったんだよね(ドラゴンボールやワンピースのように)
だって普通の絵だから、
遊戯王のあの独特さはどこから来てるのかさっぱりわからない
アメコミ調、の技法を使ってはいるけど、
めっちゃおしゃれなのよね
アメコミだけじゃなく、別のエッセンスがあるはずなんだけど、未だにそれはわかんない
だってねぇじゃん、遊戯王以外に、あの目の書き方
つまり、世間に浸透する、世間に受け入れられる、ためには
「マンガ」を勉強して「マンガを書く」じゃちょっと無理があるのよね
マンガを勉強するのは当たり前として、
更にその他の何かを必要とするのよね
ほんまのヒットってそういう新しいエッセンスが必要なんだと思うのよ
だからシャーマンキングもそこそこ止まりで、
武井宏之先生の絵は死ぬほどうまいけど、
何がうまいって、
マンガ的デフォルメがうまい、
マンガ的アクションがうまい、
マンガ的描写がうまい、っていう
マンガ、という世界の中に閉じこもってしまっているのよね
そういうのって世間に浸透しない
例えばクレヨンしんちゃんって全くマンガ的技法がないじゃん、っていう
クレヨンしんちゃんの顔の書き方、って〇〇の系列、って言えないような独特のエッセンスがあって、
ああいうのが必要なんだと思う
あたしンちはある意味ですでに普遍化された技術でのデフォルメだから、
サザエさんも、あの体の書き方とか顔の書き方って、
サザエさんしかやってねぇじゃん、っていうところがまず強いと思うのよ
つまり、技術を突き詰めていくと「一般受けしなくなる」のよ
例えばAの技法が生まれ、それをブラッシュアップし、研鑽し、高いレベルに持っていく、っていうのは
正直一般人はそんなもの見ねぇ
ただ、これは無意味じゃなく、作品の平均値を高めることに必要ではあるんだけど、
ウケには直結しない
まずオリジナリティ、これは絵の個性とかそういう表面上ではなく、
「どこに源流があるか」の相対的な新規性がめっちゃめちゃ強いのよね
まずそこのアイデア勝負みたいなのが必要だと思う
だから漫画家になりたければマンガばかり読んでるんじゃねぇってそういう話だと思う
技術の研鑽の平均値が低けりゃ箸にも棒にもかからないが、
技術の研鑽の表彰が目的になると死ぬ
この辺はマジで猫の妙術そのまんまなんで
クリエイターはマジでこれを忘れたら死ぬ

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