棘を抜く

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今コロナの対策として重要なのは「どうやったら維持できるか」

 

 

MMTとケインズ経済学

MMTとケインズ経済学

  • 作者:永濱 利廣
  • 発売日: 2020/03/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 
 
 
この小話は非常に有名でいかに経済学が机上の空論であるかを示唆する、いわばその学問全体を揶揄する表現と思われがちです。しかし元々ジョークは英国経済学界から出てきたもので、経済学の論理や研究方針を上手く言い表すものであり、同時に経済学の有効性をはっきりと表していると思います。
要は命題の考え方が大事という事です。無人島で物理学者と化学者は缶詰をどう開けるかを考える一方、実際に缶詰を食べれるようになった時に発生する倫理的課題をまったく触れていません。弱肉強食の論理からすると缶詰を開けた人間勝ちとなりかねません。しかしそれでは合理的社会を維持できません。
経済学とは限られた資産をどのようにもっとも有効的に使うかを考える学問です。我々の欲望は無限ですが、それを叶える資産(時間・資金・人・資材)は有限です。どのようにもっとも有効活用かを考えるのが経済学の大きな命題です。
「缶切りがあると仮定しよう」はブラックジョークであると当時に経済学の視点は常にもっと多極的であり大局を見据えていることを示唆しているともいえます。
これは今の日本のコロナ対策にも通じます
日本経済の回復をするにはどうすればいいのか?という議論で考える時、色々な短期・中期・長期のスパン(検証対象期間)で考えるのは大事ですが、現在経済政策では中期的である「財政赤字と経済成長」を関連付けて考える傾向が非常に強いです。
中期も大事ですが、短期が無くては中期もありません。
現在経済学の先進的な存在あり、世界経済の発展に大きく貢献したケインズ教授がはっきりと言っています。
「失業などの経済不均衡は市場メカニズムによってやがては自立的に是正されるかもしれない。長期長期っていっても長期にはわれわれみんな死んでしまうんだぞ」(超意訳)
政府の財政出動(政府が直接資金援助する助成金など)は経済回復がスタートする段階から始める部分を重要視する理由の一つは「(経済回復は始まると同時に)税収が増えるのをどう応援するか」という思考に傾倒し過ぎている現われといえるのではないでしょうか。
大よそ財政出動である108兆円の緊急経済対策を繰り出すならばその一部を回復後に振り分けず、100%今の日本に資金を提供した方が良いと思います。井上さんの指摘が大変正しいと思います。
twitter.com/KEUMAYA/status…
「缶切りがあると仮定しよう」は経済学者の観点は命題によって変化するのを表します。「日本経済をどうやって回復させようか」ではなく「どうやったら維持できるのか」を我々の代表である政治家に強く要望しないと経済政策の命題は変わりません。この事は経済学者ではなくともご理解できると思います。
今回のコロナショックは供給ショックというよりも「市場構造が一夜にしてひっくり返られ、稼動できる部分と稼動できていない部分があり、急激な変動に人と社会構造が付いていけない」
市場の硬直性MAX状態なので、こういうときは税負担・財源どうこう考えるのは危険すぎる。それはあとに出来る。

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