WHO「個々人の誤解による買いだめによって各国の対応能力が損なわれている」
2020年3月3日に実施されたWHO事務局長によるメディアブリーフィング。めちゃくちゃ大事なことが書いてあったので、以下、公式サイトから（重要だと思われる点を部分的に）私訳します。関心ある方はぜひ下記サイトよりご確認ください。
who.int/dg/speeches/de…
— たられば(@tarareba722)Thu Mar 05 05:48:56 +0000 2020
- 発売日: 2014/12/25
- メディア: ヘルスケア&ケア用品
「この（新型）ウイルスは、独自の特性を持つ独自のウイルスです。
COVID-19とインフルエンザは、ともに呼吸器疾患を引き起こし、罹患者の鼻と口から出るわずかな液体を介して広がります。
ただし、COVID-19とインフルエンザの間にはいくつかの重要な違いがあります。」
COVID-19とインフルエンザは、ともに呼吸器疾患を引き起こし、罹患者の鼻と口から出るわずかな液体を介して広がります。
ただし、COVID-19とインフルエンザの間にはいくつかの重要な違いがあります。」
返信
リツイ
お気に（中略）
「COVID-19はインフルエンザよりも【非効率的に】広がり、この病気にかかっていない人によって伝染が引き起こされることはなく、インフルエンザよりも深刻な症状を引き起こすことがあり、この病気に対する効果的なワクチンや治療薬はまだなく、しかし、封じ込めることができます。」
「COVID-19はインフルエンザよりも【非効率的に】広がり、この病気にかかっていない人によって伝染が引き起こされることはなく、インフルエンザよりも深刻な症状を引き起こすことがあり、この病気に対する効果的なワクチンや治療薬はまだなく、しかし、封じ込めることができます。」
「これらの（インフルエンザとCOVID-19との）違いは、インフルエンザの治療とまったく同じ方法では、COVID-19を治療できない、ということを意味します。
しかしそれは、多くの国々がこの病気に対して、まったくのゼロから対応しなければならない、という意味ではありません。」
しかしそれは、多くの国々がこの病気に対して、まったくのゼロから対応しなければならない、という意味ではありません。」
「多くの国には、何十年ものあいだ培ってきた、インフルエンザの検出と対応のためのシステム構築と、その積み重ねがあります。COVID-19は呼吸器病原体でもあるため、これらのシステムを適応することができるし、適応すべきであり、いままさに適応中です。」
（私訳者注：ここから特に重要だとおもいます）
「しかしながら、WHOは、いま、個々人による需要の高まり、買いだめ、誤用によって引き起こされている、個人用保護具の（世界的な供給に対する）深刻かつ増大中の混乱により、各国の対応能力が損なわれていることを懸念しています。」
「しかしながら、WHOは、いま、個々人による需要の高まり、買いだめ、誤用によって引き起こされている、個人用保護具の（世界的な供給に対する）深刻かつ増大中の混乱により、各国の対応能力が損なわれていることを懸念しています。」
「医療用手袋、マスク、呼吸用保護具、ゴーグル、フェイスシールド、ガウン、エプロンなどの医療用備品へのアクセスが限られてしまっており、医師、看護師、そのほか最前線の医療従事者が、（患者のケアをするのに）危険な状態に立たされています。」
「サージカルマスクの価格は（以前の）6倍になり、N95（微粒子用）マスクは3倍以上に高騰し、医療用ガウンは2倍になりました。
これら物資調達には数か月かかることがあり、市場での操作が広く行き渡ってしまっていて、これらの在庫は多くの場合（医療者ではなく）最高入札者に販売されています。」
これら物資調達には数か月かかることがあり、市場での操作が広く行き渡ってしまっていて、これらの在庫は多くの場合（医療者ではなく）最高入札者に販売されています。」
「これは連帯の問題です。これはWHOだけでは解決できません。また、ひとつの業界だけでも解決できない問題です。それは、すべての国で、（保護が必要な私たち以外のすべての人に、その保護を保証するために）全員の協力を必要とします。なにとぞ、よろしくお願い申し上げます。」（ここまで）
（ここから私見）
WHOの会見は、ちゃんと全文読めばわかるとおりストーリー仕立てになっていて（海外の会見で多いパターン）、
起）新型コロナと既存のインフルエンザは似てるところもあればまったく違うところもあるよ→
承）でも違うからといって準備がないわけじゃないよ、世界は充分対応できる→
WHOの会見は、ちゃんと全文読めばわかるとおりストーリー仕立てになっていて（海外の会見で多いパターン）、
起）新型コロナと既存のインフルエンザは似てるところもあればまったく違うところもあるよ→
承）でも違うからといって準備がないわけじゃないよ、世界は充分対応できる→
転）でもその「対応」にあたって障害が出ているんだ。それは、医療現場に医療用マスクやゴーグルが足りてないってこと。流通に混乱が起こって、買い占めや転売や誤用が起こってる→
結）これはWHOだけでは解決できない。みんな、医療用防護具の増産や流通の正常化に協力してね
という論旨ですね。
結）これはWHOだけでは解決できない。みんな、医療用防護具の増産や流通の正常化に協力してね
という論旨ですね。
で、全体を読むと非常にわかりやすい文意なんですが、どうにも（自分が見た範囲ですが）この会見文の「起」だけ切り取って「もっと怖がったほうがいい」と言ったり、「承」だけ切り取って「怖がる必要はないから安心しよう、医療すごい、世界すごい」と言いたがっているような話が多い気がしてます。
世界中のメディアに向けている発信だけあって、すごくクリアな会見文だと思うので、（現時点でWHOが正しいか正しくないか、信頼できるかできないかは置いておいて）危機管理とかに関心がある方は、一読する価値のある、とてもいい文章だと思います。（了
